One story

海外大学への留学を経て楽天グループに入社し、モバイル事業やEC事業で経験を積んだ吉田瑠璃さん。「選択肢は1つじゃない」という海外での学びを軸に、常に新しい挑戦を重ねてきました。2025年にはスタートアップ企業・フォトシンス社へ転職し、営業職として新たなキャリアを歩み始めています。キャリア選択の裏側や、等身大で働くために大切にしている価値観について伺いました。
「選択肢は1つじゃない」海外での学びを胸に就職

−社会人になる前は海外の大学に留学されていたそうですね。
アメリカのケンタッキー州にある大学に行っていました。幼少期から海外ドラマが好きで、特にコメディー・ドラマ『iCarly(アイ・カーリー)』を観て「こんな明るい人たちと友達になってみたい」と憧れていました。日本の大学に行って1年くらい留学に行ければ良いかなと思っていたのですが、第一志望の大学に落ちてしまい、これからどうするべきかを考えました。自分が本当にやりたいことは何か、改めて優先順位を整理してみると、一番やりたいのは海外で生活し、英語を学ぶではなく英語で学ぶことだ、という思いがはっきりしました。それであれば日本の大学にこだわる必要はないと気づき、海外の大学への進学を決めました。家族は心配していましたが、最終的には応援してくれたので、それも心強かったです。
−大学生活はいかがでしたか?
高校卒業まではずっと群馬で生まれ育ったので、新たな環境に戸惑うこともありました。英語も義務教育で習っただけ、語学学校に通わないまま大学1年生になったので、いきなり英語で授業を受けなくてはいけなかったんです。海外の大学ではディスカッションを求められるため、最初は先生から発言を促されるのが怖くてビクビクしながら授業に参加していたのを覚えています。でも段々と慣れていって、のびのびと過ごせるようになっていきました。環境を大きく変えることで様々な出会いがありましたし、国籍や出自、育ってきた環境・文化の違う人たちと一緒に過ごすことで自分の視野も広がり、「選択肢は1つじゃない」ということを学ぶ機会になりました。
−卒業後は日本に戻ってこられたんですね。
アメリカで就職したいという思いもあったのですが、コロナ禍ということもあって日本に帰ってくることになりました。グローバルカンパニーとして知られる楽天グループであれば大学生活の経験も活かせると思い、入社を決めました。どんな仕事をしたいかがはっきりと定まっていたわけではなかったので、業務範囲が幅広いところにも惹かれました。
−就職後は、どのような業務をされていましたか?
1年目は楽天モバイルの店舗マネジメントを担当しました。担当エリアの店舗に通い、売上の目標を達成できるよう各店舗と施策を考える仕事です。与えられた予算の中でイベントを企画する等、色々と自分で考えながら仕事できたので楽しかったです。その後、楽天市場のバイヤーとして仕入れや取引先への営業業務、特集の企画などを行いました。大手メーカーを担当する中、入社2年目という新人の立場でもバイヤーとして信頼していただけるよう、試行錯誤したことが印象に残っています。
−仕事以外の場面でも、何か意識して行動していたことはありますか。
キャリアセミナーに参加し、そこで知り合った人たちと定期的に交流するようにしていました。会社以外の居場所、サードプレイスを持つということは意識的にしていたと思います。他にも、Facebookで募集していた地域のお散歩クラブに参加して、年齢も職業も全く異なる人たちと会って話す機会を大切にしていました。
−凄くアクティブに動かれていたのですね!社会人2年目でそこまでできる人はなかなか少ないと思います。
自分のアイデンティティが会社にしかないと、仕事が行き詰まった時は特に窮屈になってしまう気がしたんです。それは「選択肢は1つじゃない」という海外での学びがあったのかもしれません。元々の自分はぐうたらな性格なので、だからこそ土日は外に出て何かしら新しいことを知ったり、新しい人と出会ったりしようと決めていました。
次の挑戦を前にアフリカ・ヨーロッパへ。新しい世界を見ることが刺激に

−転職を決めた理由は何でしたか。
様々なチャレンジをさせてもらい、ダイナミックな仕事にやりがいを感じていたのですが、その中で「営業」という職種に絞って極めてみたいと思うようになりました。また、スタートアップ企業など成長フェーズにある組織の中で今までとは全く違うチャレンジをしてみたいという思いもあり、転職を決めました。
−有休消化中には海外旅行に行かれたそうですね。
1ヶ月かけて、モロッコ・エジプト・フランス・ドイツ・チェコ・オーストリアの6カ国を周りました。同じタイミングで退職する帰国子女の先輩がいて、「ピラミッドを見に行こうよ」と誘ってくれたんです。アフリカもヨーロッパも行ったことがなかったので、すぐにその誘いに乗りました。アメリカに留学したことで自分の中で海外へのハードルが低くなり、フットワーク軽く行けるようになったと思います。モロッコではラマダン期間中で、日本とは全く異なる文化に触れられて刺激的でした。
−外資系企業に転職したいという思いはなかったのですか?
アメリカにいた経験があるからこそ、日本発のサービスというものに価値を感じるようになりました。いつか海外で働いてみたいという思いはありますが、今は日本で経験を積み、スキルを身につけたいという気持ちの方が強いです。
−転職活動はどのくらいの期間、どのように進めましたか。
約2ヶ月間、何社か転職サービスを利用し、最終的に「キャリアブルーム JOBS」を通じて出会ったフォトシンスへの入社を決めました。フォトシンスはクラウド型入退室管理システム「Akerun」(※)を中心に、無人化・省人化ソリューションを提供するスタートアップ企業です。「キャリアブルーム JOBS」ではどんな企業・職種に就きたいかといったキャリア相談から、職務経歴書の添削や面接の練習までお世話になりました。
※オフィスのドアに貼り付けるだけのスマートロックと、スマートキーとして使えるスマートフォン・アプリやICカードで、入退室履歴の取得や解錠権限の管理を可能にするクラウド型入退室管理システム。セキュリティ管理だけでなく、勤怠管理サービスとの連携による労務関連業務の改善と工数削減や、コワーキングスペース等の無人化運営などを可能にする。
キャリアブルーム JOBSは「私以上に私を理解してくれた」

−「キャリアブルーム JOBS」の支援はいかがでしたか。
マンツーマンで凄く自分と向き合って話してくれていると感じました。一言で言うと「熱意」が違うと思います。職務経歴書を書いたらそのまま企業に送る転職サービスも多いと思いますが、「キャリアブルーム JOBS」では細かく添削してくれ、自分の経験が次のキャリアに活かせるような見せ方をアドバイスしてくれました。面接練習ではストーリーづけて話すことを教えてもらい、これが今の営業職にも活きていると感じます。また私以上に私のことを理解し、企業に対しても私のことを伝えてくれていて、面接に行くともう私のことを知ってくださっている状態だったのが嬉しかったです。
−職務経歴書や面接内容は具体的にどのように変化しましたか?
例えば1年目の楽天モバイルでの店舗マネジメント経験は、転職先で希望する営業職のキャリアとは結びつかないと思っていたのですが、むしろ「足で稼ぐ」という、営業には欠かせない経験だったのだということを教えてもらいました。営業として必要不可欠な行動力をアピールできると知って、毎回そのエピソードを話すようにしたところ、必ず良い反応をもらえたので自信につながりました。
−転職活動を行う中で、悩んだことは何でしたか。
最初の頃は自分をよく見せようとしてしまって、自然体で話せず、上手く会話のキャッチボールができていない感覚がありました。自分の軸を見失いかけてしまう瞬間もありましたが、場数を踏んだり、担当アドバイザーの方との対話を通じて自分のキャリアの話し方のコツを学んだりしたことで、リラックスして話せるようになっていきました。違う企業に勤めている高校の同級生にも練習に付き合ってもらい、ちゃんと伝わるかを確かめながら話す内容をブラッシュアップしていきました。
−転職活動で意外だったことは?
スタートアップ企業やベンチャー企業を受けていたので、創業者の方や役職者の方が面接してくださって「忙しいのに時間を割いてくれるんだ」と驚きました。普段お会いすることのない方々だったので毎回勉強になりました。
「等身大で働ける」と感じたことが入社の決め手に
−フォトシンス社への入社を決めた理由は?
事業のフェーズも自分の希望と合っていましたし、面接してくださった社員の方々が生き生きされているのが印象的で、直感的に「この人たちとだったら等身大で働けるんじゃないか」と思ったのが一番の理由です。また営業として働く上で、「Akerun」というサービスが製品を届けるだけでなく、オフィス空間のDX、お客様の業務を変革するというところに将来性を感じました。お客様と直に接することができるという点も、「この人のために働きたい」というモチベーションに繋がると考えました。まだ入社して間もないのですが、これからの業務が楽しみです。
−どんなところが楽しみですか?
働き方や空間の利用方法が多様化している中で、スマートロックを使った「Akerun」を導入すればオフィスなどの空間で必須になる鍵の管理のための工数を削減できます。実際に導入されているシェアオフィスやコワーキングスペースを見ると、世の中を変革するサービスだなと実感できてワクワクします。

−社内の雰囲気はいかがですか。
この新しい事業を通して、世の中に新しい価値を作っていくことにやりがいを感じている人が多いと感じます。チーム内でそれぞれの案件についてオープンにディスカッションしている姿をよく見るので、個人で完結せず、チームで仕事を進めていけるんだなというのも心強いです。
周囲に上手く頼り、自己理解を深める

−プライベートはどのように過ごされていますか?
自然を感じるとリフレッシュできるので、定期的に登山に行くようにしています。先日は長野県の木曽駒ヶ岳という3,000m級の山に登って星空を見てきました。前職の仲間たちと1泊2日で山小屋に泊まって、将来について語り合ったり、夕日や朝日を見たりして凄く貴重な時間になりました。登山以外だと、コメダ珈琲店が好きでよくモーニングを食べに行っています。フランチャイズ店によって内装が違うので、色々なお店の違いも楽しんでいます(笑)。
−忙しい時、上手く息抜きするコツはありますか?
ずっと仕事のことを考えてしまう時は、家から会社まで歩いて行ってお散歩時間を確保するようにしていました。歩いていると少しリフレッシュできる気がします。また、インプットの時間があると仕事のアウトプットも変わると思うので、すきま時間には本を読むようにしています。ビジネス書や小説が多いです。
−今後のキャリアの目標について教えてください。
今は目の前の仕事にしっかり取り組みたいと思います。営業としての経験を積んだ先で、事業開発にも携われたら嬉しいです。また大学で学んでいた会計学について今勉強し直していて、キャリアの強みになったら良いなと思っています。将来的には海外で働けるように、働くフィールドを広げていきたいです。
−Career Bloomでは「サステナブルな働き方」をビジョンに掲げています。サステナブルに働くためには何が大切だと思われますか?
自分のことを理解し、等身大で働くということ。そして自分の人生を歩むのは自分なので、自分で決断していくということが大事なのかなと思います。
等身大で働くためには自分がオープンでいることが大切です。また、自分の周りには必ず頼れる人がいるはず。そういう人たちと話す機会を持ち、自分でも気づいていない思いに気づけるよう、自己理解を深めることが大事なんじゃないかと思います。
