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男性育休取得率40.5% ― “数字以上”に注目すべき企業の対応とは?

日経新聞2025年7月30日付記事より

育休取得率40.5%、その数字の背景は?

厚生労働省の最新データによると、2024年度の男性育休取得率は 40.5% に達し、初めて4割を超えました。背景には「産後パパ育休(生後8週間以内に最大4週間取得できる制度)」の創設や、企業に対する制度周知義務化などの法改正があります。数字を見ると、大きな前進を感じさせる結果ですが、今回は数字の背景に注目してみたいと思います。

1:規模による格差

大企業では取得率が50%を超える一方、中小企業では20〜30%台にとどまるなど規模による差が大きいのが実態です。

2:期間の短さ

さらに注目すべきは「どのくらい休めているか」という点。厚労省の調査によると、女性は9割以上が半年以上の育休を取得しているのに対し、男性は「5日未満」「2週間未満」の取得が全体の約6割を占めているのがわかります。

厚生労働省 『令和5年度育児休業取得率の調査結果公表、改正育児・介護休業法等の概要について』より抜粋

男性の育休は「取得率は上がったが、まだ短期型が主流」というのが現状ではありますが、一方で「1か月以上」取得できた男性も28%まで増えてきています。これからは「とりあえず取った」から「しっかり関わる」への質的な転換が求められると言えそうです。

個人的な実感から

ただ、「制度はあっても使いにくい」「周囲に迷惑をかけるのでは」という心理的な壁も依然として存在するというお声をよく耳にします。

ここで少し、私自身の身近な体験をお伝えしたいと思います。

筆者の夫は第一子のときに半年間の育休を取りました。最初の1〜2か月は慣れない生活に戸惑うことも多かったのですが、3か月を過ぎたころからようやく「子育ての大変さやリアル」が体感として分かるようになったそうです。今では家事も2児の育児も夫にお任せして、私が泊まりの出張に行くことも頻繁にあるのですが、

「半年しっかり向き合ったからこそ家事にも子どもとの関わりにも自信がついた。今では子どもをひとりで見ることに抵抗がない」と話しています。もし数日や数週間だけの育休だったら、この実感や自信は得られなかったのではないでしょうか。

この経験から、男性育休は“期間”や“関わり方”が非常に大切 だと私たち家族は感じています。子育て世帯の方には、きっとそれぞれのお考えやご意見もあるかと思いますので、ぜひお聞かせくださいね。

企業ができる工夫は?

それでは、企業側では「男性育休の質を上げる」という観点ではどのような取り組みができるでしょうか?

  • ・業務マニュアル化や補助金を活用して代替要員を確保
  • ・上司が率先して取得を勧める、取得経験者の声を共有
  • ・取得後のフォロー体制の構築
  • ・育休中も安心して連絡できる仕組み

など、が一般的にはまず考えられると思います。さらには、

  • どんな雰囲気の中で取得されているのか
  • ・戻ってきた後のサポートはあるのか

といったカルチャー面でも取り組まれている企業様は多くあります。

男性育休取得率40.5%は、ゴールではなくスタートライン!

「うちの会社は何%?」と数字に着目しがちですが、取得率が上がってきたからこそ、次のフェーズへと進めていきたいですね。

Career Bloomでは、こうした「数字を超えた組織文化づくり」をサポートしています。研修やワークショップを通じて、社員が安心して育休を取り、キャリアを継続できる環境づくりをお手伝いしています。「数字の先」にある取り組み、どんな工夫ができそうでしょうか?

一緒に考えたい!という方はぜひお気軽にお問合せください。

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この記事を書いた人:阪口裕子( 研修イベント企画・ライフキャリアコーチ)

大阪で子育てをしながら、フルリモート勤務中。元営業現場の最前線&高校の先生という経験を活かし、キャリアと子育てのリアルに向き合いながら、「すべての人が自分らしく働ける社会」を目指して日々試行錯誤しています。「家族と週末どこで楽しく過ごそう?」を考えるのがささやかな楽しみ。おいしいお酒も好きです🥂

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