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植田さんが話されているのは、「今」の話だ。
この日、私の価値観は大きく揺さぶられました。
働くとは?生きるとは?そう思考せざるを得ない時間になったのです。
植田さんが創業された年に私は生まれました。
取材で聞いたお話は全て、私が生まれてからの話。
幼少期、夢中でお遊戯を踊っていたころ、モーニング娘。が大流行していたころ、渋谷に感動した放課後、将来が見えないままリクルートスーツに身を包んだ就活時代。
そのすべての時間、植田さんは「女性が働くこと」に、真正面から向き合い続けていたのだと知りました。
何も考えずに私は今ここにいるわ・・・。指輪も車も自分で買いたい!と思うことは今では珍しくない感覚かもしれませんが、私がまだ子供だった頃には、それを望むのは特別なことだったのです。
私が呑気に過ごしていた毎日の背景には女性の先輩方の無数の試行錯誤や苦悩が折り重なっている、そんな事実を突きつけられて自分のお気楽さに笑ってしまいそうで、目眩もしそう、、、そんな感覚から対談は始まりました。
どの時代も楽じゃない、その時代の苦労がある。
植田さんは『「私の時は大変だったのよ」とは言いたくない』と仰いました。
いやいや、明らかに大変ですよ!!!と喉まで出かかりそうに。
強さを内に秘めた優しさを強く感じます。
これは一体どれだけのものを飲み込んできたら、その域に達するのでしょうか。
「心やわらかに、仕事しなやかに」という会社のフレーズ、まさにその体現者でした。
これは私もまさに目指したい姿勢ですが、逆風が多いこの女性推進という仕事に日々発狂しそうなことも・・・というのもまた事実。
でもそれは私の目線から見た話であって、怒っていても何もはじまりません。
そして何よりも、今こうして会社の代表の座にいること自体が、植田さんをはじめとする先輩方が開拓してくださった道の上にあるのです。
私も然り、今働いている人はこの事実をどれだけ知っているでしょうか?当たり前のことなんて、何一つないということを。
私たちは、バトンを受け取っている。
日本で社会人になった女性は皆、このバトンを受けて今があることをぜひ知ってほしいなと思いました。
取材の中で「女性たちは、働くことに浮かれていませんか?」というお話がありました。(ぜひ記事をしっかり読んでいただいて文意を正しく捉えていただきたい!)
思わずドキっとしました。働くことが当たり前になって、その状況に夢中になっていないだろうか?
何のために働いているのかを忘れてはいないだろうか?
この問いは女性のキャリアを支援する立場としてもこの先ずっと心に留めておきたいと思います。
私自身、浮かれているなと大反省。特に社会的意義や大義があるからこそ尚更だ。
仕事に集中することは悪いことではないけれど、それでは過去の働き方をなぞっているだけではないかと、自問自答。
このバトンを私はどんな風に次の世代に渡せるだろうか?今の私から受け取って嬉しいかな?などと考えたり。
今まで夢中で走ってきた私が「変わらなきゃ」と思うきっかけの言葉に間違いなくなりました。
ライフとキャリア、そのバランスに揺れ惑う私たちに。
このインタビューメディアは、個々の価値観が美しく咲く未来を目指して運営しています。
ライフか?キャリアか?ではない、様々な価値観に焦点を当てたいという思いでスタートしたのは、揺れ惑う人があまりに多いから。
日本女性が働く歴史は本当に最近のことで、まだ慣れていないのだ。慣れていないんだから迷って当然だとも思います。
やりながらでしかわからないから、だからこそ共有したいし、理解し助けあっていきたい。
植田さんの言葉で言う「束」だ。そんな私たちに植田さんがかけてくれた言葉は、きっとこの先私たちを助けてくれると信じています。
私たちの「今」は、自分で決断していますか?いろんな回答があるとは思いますが、学校・仕事・結婚・住居など、多くの選択をご自身でされてきたのではないでしょうか。
主体的な決断こそが、これからの時代に必要なキーワード。
自分で決断し、その決断を信じて、責任を取る。
女性であることに甘えてはいけない、とおっしゃる”女性にもフェアで毅然とした物言い”が、とても心地良い時間でもありました。
いかなる時も暮らしが真ん中にある。
とてもシンプルなのに、意識しないとビジネスシーンでは端に行きそうな考え方。
私たちは「幸せになるために生きている」のです。
気付けば何かに追われている社会人生活を送っています。
それが楽しくもあり、家族からは「忙しいことが好きなんだよ」とさえ言われています(笑)
それはそれで私にとっては幸せなことだと思います。ただ、今日皆さんと共有したい価値は「暮らしが真ん中」だということ。
オフィス(仕事)になると、なぜか「暮らし」の気配が小さくなっていませんか?
もちろんオフィスはビジネスの場ではありますが、「暮らし」を尊重してお互いが配慮・判断することはできるはずだよなぁと改めて思います。
植田さんが家で家事をしている時間が至福と仰った横顔がとっても素敵でした。
「暮らし」の主導権が堂々と中央にドーンとあるような、そんな在り方がかっこいい。
これからはきっとそういう時代になるし、Career Bloomはそこを目指したい。
これがきっと大事な指針になる予感がしています。ぜひまたお会いしたいですし、もっとお話を聞かせていただきたいです!
植田さんへの感謝と、私も次の世代へと繋ぐ未来を創る決意を込めて。
Career Bloom株式会社 代表篠崎侑美