Bloom talk
Career Bloom株式会社の立ち上げにあたり、CBC社との連携がスタートした。パートナーシップに至った経緯やビジネスの可能性、男性社会だったCBC社がなぜ女性推進の領域での新規事業に取り組んだのかー。小倉大氏(CBC株式会社/製造部門および新規開発営業部門責任者・Career Bloom株式会社/取締役)と篠崎侑美(Career Bloom株式会社/代表取締役社長)の対談で紐解いていく。
フランクな出会いから生まれたビジネスへのきっかけ
ーまずはじめに、お2人の出会いを教えてください。
小倉大(以下 小倉):最初に出会ったのは先輩に誘われて行った交流会ですね。ただその場ではそこまで深いお話はしなかったんですよ。後日またご一緒しましょう、というところで初回は終わりましたね。
篠崎侑美(以下 篠崎):ネットワーキング目的の、規模が大きめの交流会をしたんです。そこで小倉さんがその大人数の場を仕切っていて、「すごい、営業力のある人がいる!」と思ったのを覚えています。
小倉:一番年下だったので盛り上げないと、と思ったんですよ!
篠崎:MC力も強いな、と思いましたよ。
小倉:僕もですよ。50代ぐらいの男性陣をまとめ上げていたので、すごいなというのが篠崎さんの最初の印象ですね。当初は仕事の話をまったくしない場だったにもかかわらず、それが今に繋がっているので、僕ら“無駄な交流会は一つもない”といつも言っています。
ーそこからどうやって事業の話になったのですか?
篠崎:仕事の話をしたのは何回かお会いした後ですよね。
小倉:そうです。CBC株式会社(以下、CBC)という会社は歴史も長くお客様も豊富にいるんです。ただ新規開発のビジネスでは、既存のお客様以外がターゲットになるケースが非常に多いので、いきなりお客様をロックするのはとてもハードルが高いです。
未経験分野の企業への出資なども多く、その可能性や知見を常に増やしていくことが大事な中で、交流関係の広い篠崎さんにお話を聞かせてもらったのが最初のビジネスの会話でしたね。なので直接篠崎さんと仕事をしたわけではなく、篠崎さんを通して繋がった企業様とのご縁が広がっていった、というのがきっかけです。
男性社会で育った価値観
そこに見えてきた、課題とビジョン
小倉:篠崎さんがやろうとしている女性推進の話を伺って初めて、そのテーマを考えたんです。CBCが女性の働きやすさや定着に関して進んでいないことも理解していたし、私自身も意識が進んでる人間ではなかったはずです。ただ、篠崎さんと何か一緒にやりたい、という思いがまずあったんです。
ー具体的に話が進んだタイミングはいつだったのでしょうか?
小倉:篠崎さんが次のステップのことを考え出したタイミングですよね。私たちが篠崎さんと一緒に何かビジネスをやりたいという想いもアプローチさせてもらっていました。
篠崎:当初から「CBCの中の課題を解決したい」という思いを持ってのスタートではありませんでした。まずは何か自分が行動を起こしたい、それが何なのかまだわからないけれど、今までやってきた女性推進やダイバーシティを社会的に進めていくために、一番信用しているCBCさんの力を私も借りたいという思いがありました。
小倉:ただ、女性推進というテーマを本当に我々ができるのか、という不安は早い段階で篠崎さんに伝えていました。すると篠崎さんが「なぜ女性が活躍できていないのか、どういう考え方ゆえにそうなっているのか、その要因を知らないとこの事業は進めていけない」。「CBCはそこが遅れているからこそ課題が見え、やりがいがあるんです!」と仰ったんです。
ー“進んでいない”とは具体的にどんな点ですか?
小倉:営業の第一線で働かれる女性がいない、という点ですよね。それを推進していくために動いていた時期はありましたがあまりうまく進まず、やっぱり難しいな、という雰囲気になっていました。男性の働き方しか正解がなかったせいか、男性が働いていく道しか望めなかった。それが会社全体として当たり前になっていたんでしょうね。
ーなるほど。女性が第一線にいけなかった理由を挙げるとしたら何かありますか?
小倉:まず相談相手がいなかった。男性上司が彼女たちの悩みを本当の意味では理解できていなかったんじゃないかな。女性のロールモデルも社内にいないので、女性同士でも同じ悩みを共有するということが難しかったのだと思います。
ーその状況から女性推進の優先順位を上げていったのですね。とても興味深いです。
小倉:どの領域で女性の活躍を進めていこうかと考えた時に、「優秀な人材を確保する」という採用領域の課題が一番大きいのではないかと思ったんです。日本の働き手が減少していく中で、優秀な女性が100%以上の力を発揮できるような環境を作れていない、というのが私が感じる企業課題でした。
日本のビジネスをより良くしていくために、採用に関する企業のニーズは非常に大きいのではないか、採用や育成事業にこそ女性推進というテーマが必要だと考えましたね。
篠崎:今、私の周りの方々の意識は少しずつ変わってきていると感じます。女性推進と言うと、抽象的で遠いものに感じる方もいると思うんですが、今皆さんの目の前にある採用課題と実は近いもので、解決策として通じるものがあるという肌感を持っていただけるようになってきたのではないかと感じます。
商社が立ち上げた女性推進支援事業
篠崎とのパートナーシップで見えてきたもの
ーそして篠崎との協働がスタートしたのですね。社内の反応や同意形成はどうでしたか?
小倉:女性推進に関しては素人なので、事業としてやっていくには間違いなくプロが必要でした。外部に出資させてもらいながら事業を進めていきたい、となった時に、篠崎さんと一緒にやりたいという当初の想いを再確認したんです。
社長や役員も、篠崎さんのことをよく理解をしたメンバーであったのも大きかったです。採用や女性の働く環境には社長も課題も感じていましたし、社内のノウハウだけでは伸ばしていけないという点でも同意していただきました。
あとはやはり篠崎さんの人柄ですよね。人に興味があり、人を大事にすることに、非常に篠崎さんは長けている方です。CBCは商社なので根っこは人商売なんですよ。なのでその同じような心意気を持った方と一緒に仕事がしたいと、篠崎さんに対して感じたわけです。
ー女性の活躍や人材領域でのビジネスの可能性を、小倉さんはどう考えていますか?
小倉:お客様が今同じようにその領域に対して困っていることは実感しています。動かないといけないと思いながらも、多分私達同様、それを避けてきた会社が多いと思うんですよね。彼らに対して私達が人材紹介や、既存社員のスキルアップをお手伝いする関係性を築いていけたらいいなと思っています。
篠崎:ちなみに私は、一緒にやると決まったからには、CBC社内に対して女性営業社員の成功事例を作りたい思いがあります。CBC自身が、どういうスタンスで、どう社内を変えていきたいのか、という自社意識をまず整えていくことが大事です。それがあっての営業や事業開発だと思うので。
小倉:接待の仕方や女性の管理職比率など、さまざまな会社が今変わってきている最中だと思うので、お客様と一緒に我々も変わっていかないといけないですね。ひいては業界全体での意識の底上げが理想ですが。
皆の「会社が好き」をエネルギーに、新しいステージへ
ー女性推進のテーマに触れてから小倉さん自身の行動や価値観に変化はありましたか?
小倉:価値観はすごく変わってきていますね。私は転職したことがないので、20数年CBCの環境しか知らないんですよ。男性社会の成功事例しか知らない。昔のやり方も、今でも大事にしないといけないと思うものはもちろんあります。ただ、それだけが全てじゃない、というのをこの1年で思い始めていますね。ほんの少し意識や目線を変えるだけでいろいろ見えてくるな、と。
ー女性推進が遠い世界のようだったのが信じられませんね!
小倉:そこは自分でも驚くくらいですよ!
篠崎:急上昇ですよね!でもCBCは素敵な社員の方が本当に多いんですよ。皆さん、会社が大好きなんだなぁ、と感じます。エンゲージメントが高く対応力のある方がたくさんいるので、女性の雇用や活躍にもそのパワーを信じています。絶対にできます!あとは皆さん本当に誠実ですよね。嘘をつかず、実直で、地に足がついているのを感じます。
小倉:人が好きな人がやはりCBCも多いのではないですかね。
篠崎:人を出し抜いて自分が立つ、そういう社風ではないですよね。
小倉:そうですね、良い意味で競争意識みたいなものは少ないかもしれません。チームワークがいいし、自分の役割をきっちりこなせるメンバーが多いです。今まで女性の活躍を求めてこなかっただけなんですよね。気づきや意識の問題だったと思います。ただ、やるならしっかりと自分たちの目的に合ったルール作りをしないとビジョンの押し売りになってしまいますから、そこは考えながらやっていきたいところです。
篠崎:もう一度言いますが、皆さんエンゲージ力が本当に高くて、驚くことがますます増えています!私は職種も業界もさまざまな方を見てきましたが、特に若手の社員で、ここまでエンゲージメントが高くて、「会社が好き」とストレートに言えるエネルギーを持っている人ってあまりいないんですよ。これはすごく奇跡的なことだと感じましたし、それが今のご縁に繋がっているのだと思います。これからもよろしくお願いします!